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不妊治療の3つの治療法|ステップアップの目安&スキップという選択肢も

不妊治療の3つの治療法|ステップアップの目安&スキップという選択肢も
目次

不妊治療には3つのステップがあります

妊娠を希望して1年以上経つと、「もしかして不妊症…?」と不妊治療を考えはじめる方は少なくありません。しかし、不妊治療とひとことでいってもクリニックによって治療方針は様々。なにからはじめればよいのか悩んでしまうかもしれません。

多くのクリニックでは、不妊治療の基本的な治療は大きくわけて「タイミング療法」「人工授精」「体外受精」の3種類。妊娠を目指して、より高度な治療へと徐々にステップアップしていくのが基本的な流れです。

そこで今回は、不妊治療のタイミング療法、人工授精、体外受精の3つのステップについてわかりやすく解説。治療全体の流れや、ステップアップの目安についてご説明します。

不妊治療の基本を知りたい方はもちろん、ステップアップのタイミングにお悩みの方も、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。

基本検査(不妊スクリーニング検査)

不妊治療は、まず不妊の原因を探るところから始まります。子宮やホルモンの状態を各検査で詳しくみるのが、不妊治療の基本検査(=不妊スクリーニング検査)です。

月経周期に合わせて行う検査もあり、すべての検査が終了するまでに必要な期間は1〜3カ月。クリニックを受診したからといって、すぐ治療がスタートするわけではないことを理解しておきましょう。

基本検査は下記5種類。しかし、クリニックによっては重視しないものや検査を省くものもあります。

検査の種類検査のタイミング検査のタイミング
血液検査
(ホルモン検査、AMH検査)
月経2〜4日目、排卵直前、排卵後5〜7日目妊娠や排卵に関するホルモンの分泌を測定することで、卵巣機能の状態を調べます
頸管粘液検査排卵直前子宮頚管粘液を注射器で吸い取り、異常がないかを調べます
フーナーテスト排卵直前排卵日付近の性交の翌日に、内診で子宮の頚管の粘液を採取。顕微鏡で精子の状態を調べます
子宮卵管造影検査月経終了後~排卵の前子宮内に造影剤を注入し、子宮内腔の状態と卵管の通過性をレントゲンで調べます
【男性】精液検査いつでも精液量や精液中の精子の濃度、運動率、正常形態などを調べます

ステップ1 タイミング療法

ステップ1 タイミング療法

不妊治療のひとつめのステップがタイミング療法。検査によって医師が排卵日を正確に予測し、妊娠確率の高い日を指導することで、妊娠を目指す方法です。医師による指導を受ける以外は自然妊娠と違いはありません。

年齢ステップアップまでの回数(目安)
〜34歳3〜6回
35〜40歳人工授精とあわせて6回程度
41歳〜人工授精とあわせて3回程度

ステップ2 人工授精(AIH)

ステップ2 人工授精(AIH)

人工授精(AIH)は、パートナーの精液を培養液で洗浄濃縮し、最も妊娠しやすい時期に、専用の管(カテーテル)で子宮内に注入する方法です。

「人工授精」という名前ではありますが、医師が行うのは子宮内に精子を注入するところまで。精子が卵子と出会い、受精するのは自然妊娠とまったく同じです。

年齢や健康状態によって差はありますが、人工授精で妊娠した方の約90%は5回までに妊娠されていることから、人工授精を行う回数は多くても6回がよいでしょう。

年齢ステップアップまでの回数(目安)
〜34歳3〜6回
35〜40歳人工授精とあわせて6回程度
41歳〜人工授精とあわせて3回程度

ステップ3 体外受精・顕微授精

ステップ3 体外受精・顕微授精

体外受精とは、体内から取り出した卵子と精子を受精させ、妊娠しやすい時期にその受精卵を子宮に戻す方法。受精自体は人為的ではなく卵子と精子の力により行われますが、生殖補助医療技術(ART)によって卵子や精子、受精卵を受精や着床をしやすいように管理し、体外で受精させるのが人工授精との大きな違いです。

顕微授精は体外受精のなかのひとつ。体外受精がなかなか成功しない、精子の数が少ない方の方法です。精子を直接卵子に注入して受精を促す方法です。

体外受精・顕微授精は妊娠率が高く、タイミング療法の8倍、人工授精の4倍程度とも言われており、妊娠への近道になる可能性もあります。

これまで保険適用外だったこの体外受精のステップも、2022年4月から不妊治療の保険適用が拡大され保険診療が可能になりました。
詳しく解説している記事がございますので、不妊治療が保険適用になってなにが変わったの?という方はぜひご覧ください。

不妊治療は人それぞれ。スキップするという選択肢も

不妊治療は人それぞれ。スキップするという選択肢も

ここまで基本の3ステップを解説しましたが、これはあくまで基本の形。ひとつずつ順番にステップアップしていことが誰にでもベストなわけではありません。しかし、40代の方がいきなり体外受精をすすめられショックを受け、ひどく悩んでいる…そんな声を耳にします。

不妊症の約20%は原因不明といわれています。基本検査の結果で問題が見つからない=不妊症ではないのではありません。しかし、問題が見つからないなら妊娠できるだろうと、タイミング療法や人工授精で何年も経過してしまい、結果的に妊娠が難しい年齢に近づいてしまうケースもあります。

不妊治療の誰にでも共通することは、年齢が低いほど妊娠率が高いこと、そして妊娠できる期間には終わりがくるということ。残された時間を大切に使うために、タイミング療法と人工授精をスキップし、はじめから体外受精をするという選択肢は、人によってはベストなことがあります。

不妊治療に正解不正解はありません。あえて言うなら、パートナーとふたりで出した結論なら、それが正解です。不妊治療はひとりの問題ではありません。パートナーと一緒にしっかり向き合って、ふたりの答えを出しましょう!

※記事の内容は公開日当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
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